2021.07.19
各国の地球温暖化防止問題や、「2030年度における温室効果ガスの削減目標を、2013年度に比べて46%とする」という菅総理大臣の表明もあり、近年ではさらに再生可能エネルギーが注目されています。
再生可能エネルギーの導入手段には、あらゆる方法が存在します。中でも、電気料金が削減でき、環境問題の改善に非常に貢献する「自家消費型太陽光発電」は、近年特に注目されている手段です。
そこで今回は、自家消費型太陽光発電について、注目された背景や導入のメリット、さらに2種類の導入方法を解説します。再生可能エネルギーの導入を検討しているのであれば、ぜひ参考にしてください。
自家消費型太陽光発電とは、空いた土地や屋根などに取り付けた太陽光発電設備から発電された電気を、自社施設(ビル・工場・事業所)で消費する太陽光発電のことです。
従来までの一般的な太陽光発電は、固定価格買取制度(改正FIT法)に伴って、発電した電気を電力会社に売電して収益化することが主な目的でした。
しかし、近年では再エネ賦課金や電気料金の上乗せなどさまざまな問題により、電気料金が値上げ傾向にあります。そのため、自家消費型太陽光発電が注目されるようになりました。
次項にて、自家消費型太陽光発電が注目された背景を詳しく解説します。
自家消費型太陽光発電が注目された背景を、簡潔な年表形式にして下記にまとめました。
2011年 | 東日本大震災により「分散型電源」が注目され始める |
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2012年 | 固定価格買取制度(FIT法)がスタートし、新たな投資として注目される |
2013年 | 投資用太陽光発電の増加・再エネ賦課金の負担問題により、太陽光発電の売電単価が下がる |
2017年 | 電気料金の値上がりにより、売電単価と電気料金の金額差が縮まる |
2020年 | 太陽光発電の売電価格が決定される |
10kW以上50kW未満の低圧太陽光発電における電気の、全量買取方式による売電が不可能となる | |
2021年 | 菅総理大臣が「2030年度における温室効果ガスの削減目標を、2013年度に比べて46%とする」と表明する |
固定価格買取制度(FIT法)が制定された2012年より数年は、売電単価が高かったことから、投資用太陽光発電設備を導入・売電して収益化するケースが多々見られました。しかし、売電単価が下がり電気料金の値上げがされた近年では、売電するよりも自身で電気を活用した方が良いとされています。
また、再生可能エネルギーの導入や普及に伴って、国民が負担しなければならない再エネ賦課金は上昇します。さらに2020年以降は、原発廃炉費用の一部を電気の利用者が負担しなければならないこともあり、今後2030年までは電気代の上昇リスクが続く見込みです。
前述の通り、固定価格買取制度(FIT法)が始まった2012年から数年は投資用太陽光発電が多く導入されたものの、近年では自家消費型太陽光発電を導入する動きも見られています。
では、自家消費型太陽光発電の導入により、一体どのようなメリットを享受できるのでしょうか。ここからは、自家消費型太陽光発電を導入するメリットを5つ解説します。
自家消費型太陽光発電設備を導入すれば、使用する電力を自社で賄うことができるため、当然電気料金を下げられます。加えて、電気代の基本料金も抑えられる可能性があるでしょう。
基本的に企業が契約する高圧電力の料金計算方法は、低圧電力と少し異なることが特徴です。高圧電力の電気料金は、年間電気使用量のうち最も大きかった電力量を「最大デマンド」として基準に設定します。電気料金の基本料金は、電気の単価に最大デマンドをかけて算出されることが特徴です。
自家消費型太陽光発電を導入することで、電気の消費量を抑えられ、同時に最大デマンドも抑えられるでしょう。そのため、基本料金を下げることも可能となります。
地域公共団体および民間企業が導入する自家消費型太陽光発電は、国や自治体が提供する補助金・税制優遇制度の利用対象となる点が大きな魅力です。
2021年現在では、全国において豊富な補助金・税制優遇制度の公募が始められています。制度の概要や条件は各制度により異なるため、きちんと確認した上で申請しましょう。基本的には、自家消費が可能であり、停電時にも必要電力を供給できることや、CO2(二酸化炭素)の排出量削減が図れることが必須条件です。
また各制度により公募期間も異なるため、経済的なメリットを最大限享受したいのであれば、自家消費型太陽光発電の導入前にきちんとリサーチしておくことをおすすめします。
日本は、地震・台風・集中豪雨などの自然災害が各地で発生しやすいことが特徴です。そのため、災害が起きた際の緊急時でも、被害を最小限に留めて事業を継続するためのBCP対策が求められています。
自家消費型太陽光発電を導入すれば、停電が起きた際でも電力をバックアップすることが可能で、BCP対策にもつながります。しかし、太陽光発電のみで自社施設の電力をすべて賄うことは容易ではありません。そのため、パワーコンディショナーの設置や蓄電池・蓄電システムの導入も検討すべきと言えるでしょう。
自家消費型太陽光発電の導入により、地球温暖化の原因であるCO2の排出量削減に貢献し、CSR活動としてアピールすることが可能です。
CSR活動の「CSR」とは、「Corporate(組織) Social(社会的) Responsibility(責任)」の頭文字を略称した言葉であり、企業が担う社会的責任を指します。
CSR活動に取り組んでいることをアピールすれば、企業のイメージアップや取引先企業との信頼関係の構築・強化も期待でき、長期的な利益につながる可能性があるでしょう。
自家消費型太陽光の導入方法には、主に「PPAモデル」と「自己託送」の2種類があります。下記に、各導入方法の概要とメリット・デメリットを簡潔に紹介します。
PPAモデル |
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企業が提供した太陽光発電設備の設置場所に、電力会社などが購入した自家消費型太陽光発電を設置し、発電された電気を企業が購入する方式です。「第三者保有モデル」とも呼ばれています。 【PPAモデルのメリット】
【PPAモデルのデメリット】
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自己託送 |
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遠隔地に太陽光発電設備を設置し、電力会社のネットワークを介して自社施設・ビルに電気を送る方式です。「オフサイト」とも呼ばれます。 【自己託送のメリット】
【自己託送のデメリット】
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自家消費型太陽光発電を設計するにあたり、重要な指標となるのが下記3つのポイントです。
〇直近の電気使用状況
電気の使用状況は、設計する上で重要な情報となります。なるべく、1年間のデマンドデータを集めましょう。
〇設置できる敷地面積
適切な発電量の設備を設置するためにも、所有している土地・敷地の面積を確認しておきましょう。
〇導入する主な目的
「電気料金の削減」「非常用電源の確保」「CSR活動への取り組み」など、導入の主目的によっても適切な自家消費型太陽光発電システムが異なります。何を目的として導入するのかも、きちんと考えておきましょう。
自家消費型太陽光発電にはさまざまな仕組みの商品・サービスがあり、工夫次第で導入ハードルを低めることができるものの、決して簡単ではありません。そのため、導入は慎重に考えるべきと言えるでしょう。
環境に配慮するのであれば、段階的にCO2削減が可能となる再エネ電力の電気を使用する方法もあります。自家消費型太陽光発電の導入を検討しているのであれば、ぜひ一度RE100電力株式会社にご相談ください。
ここまで、自家消費型太陽光発電の概要や注目された背景、導入のメリット、導入方法を詳しく解説しました。
自家消費型太陽光発電の導入には、電気料金の削減から環境への貢献までさまざまなメリットがあります。またPPAモデル・自己託送という2つの導入方法にもそれぞれメリット・デメリットがあるため、慎重に検討した上で適切な手段で導入しましょう。
RE100電力株式会社では、段階的にCO2の削減が可能となる方法を提案しています。自家消費型太陽光発電の導入を検討している企業様は、ぜひお問い合わせください。
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