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コラム

FIP制度とは?FIT制度との違いや仕組み・メリットを徹底解説

2021.11.26

2012年7月、日本では再生可能エネルギーの普及に向けて、FIT制度(固定価格買取制度)がスタートしました。FIT制度は主に、再生可能エネルギー発電システムから作られた電気をすべて電力会社が買い取るという制度です。

そして2022年4月からは、このFIT制度に加えて「FIP制度」といった新しい制度が始まります。

当記事では、FIP制度の概要・仕組み・種類から、FIP制度とFIT制度の違い、FIP制度のメリット・デメリットまで徹底的に解説します。FIP制度について理解を深めたいという人や産業用太陽光発電システムの導入を検討している企業担当者は、ぜひ参考にしてください。

 

1. FIP制度とは?

FIP制度とは、「Feed-In Premium(フィードインプレミアム)」の頭文字をとった略称で、再生可能エネルギーの普及に向けて、再エネ発電事業者(再生可能エネルギー発電事業者)が発電した電気を売るときに、市場価格にプレミアム額を上乗せ・交付するという制度です。

市場価格に上乗せされるプレミアム額は、基準価格(FIP価格)から参照価格を差し引いた額に、再エネ電気供給量を掛けた額を基礎として、1か月の交付頻度ごとに決定されます。

 

1-1. FIP制度の仕組み

FIP制度における基準価格とは、再エネ電気が供給される場合に必要となる費用の見込み額をもとに設定される価格です。2012年7月からスタートしたFIT制度では、電力会社が再エネ発電事業者から再エネ電気を買い取る際の単価(1kWhあたり)が定められています。同様に、FIP制度でも単価として基準価格が定められることが特徴です。なお、FIT制度の売電単価とFIP制度の基準価格はまた異なる点に注意してください。

そして参照価格とは、市場取引などにより再エネ発電事業者が期待できる収入を指します。市場価格に連動し、1か月ごとに見直されることが特徴です。プレミアム額が1か月ごとに変動するのは、参照価格の定期的な見直しが大きく関係すると言えるでしょう。なお、参照価格は具体的に、下記のような計算式で決まります。

  • 卸電力市場の価格に連動した価格+非化石価値取引市場の価格に連動した価格-バランシングコスト

卸電力市場と非化石価値取引市場は、再エネ電力の取引が行われる主な市場です。バランシングコストとは、再エネ発電量の予想が正確に行えない場合において、不確実性に備えたコストを指します。

FIP制度ではバランシングとして、再エネ発電事業者が発電する再エネ電気の計画値を設け、実際に発電した再エネ電気の実績値と一致させなければなりません。しかし、計画値と実績値に差(インバランス)が発生してしまった場合、再エネ発電事業者はバランシングコストとして差額を賄うための費用を支払う必要があります。

バランシングが必要となるFIP制度においては、バランシングコストに配慮し、一部をプレミアム額として手当するという方針がとられています。

 

1-2. FIP制度の種類

一部海外では、すでにFIP制度が導入されています。海外で導入されているFIP制度には、主に「プレミアム固定型FIP」「プレミアム固定型FIP(制限付)」「プレミアム変動型FIP」の3つの種類があります。

プレミアム固定型FIP
概要 市場価格に固定されたプレミアムが付与されるタイプ
メリット 再エネ電気の買取価格は市場価格に連動することから、電力需要の高い時間帯はインセンティブも高まる
デメリット 電力需要の低い時間帯は収益性に影響をやや及ぼす
採用国

スペイン

スロベニア

チェコ

プレミアム固定型FIP(制限付)
概要 市場価格に固定されたプレミアムが付与されるものの、上限・下限といった制限が設定されるタイプ
メリット 市場価格の変動による収益性の影響は悪くも少なく済む
デメリット 上限価格・下限価格の適切な設定が困難な場合が多々ある
採用国

スペイン

デンマーク

プレミアム変動型FIP
概要 市場価格の変動に応じて、プレミアムも完全変動するタイプ
メリット 市場価格の変動による収益性の影響が低減される
デメリット 市場価格が低下した場合の影響は増大となる
採用国

ドイツ

イタリア

スイス

オランダ

なお、日本ではプレミアム固定型FIPとプレミアム変動型FIPの中間のような制度が検討されています。

 

 

2. FIP制度とFIT制度との違い

ここまで、FIP制度の概要についてある程度理解はできたものの、2012年7月から行われているFIT制度と簡潔にどのような違いがあるのかわかっていないという人も多いのではないでしょうか。

FIP制度とFIT制度の主な違いは、下記のとおりです。

  FIP制度 FIT制度
目的 再生可能エネルギーの自立後押し・完全自由競争にする 再生可能エネルギーの普及を促す
買取・売却方法 再エネ発電事業者が発電した電気を、自ら電力市場に売る 再エネ発電事業者が発電した電気を、電力会社が固定価格で一定期間買い取る
収入 プレミアム単価は一定で、最終的な収入は市場価格と連動する 買取価格が一定となる
インセンティブ あり なし
インバランスリスク あり なし
非化石価値 販売可能 なし

FIT制度は、再生可能エネルギー発電システムから作られた電気をすべて電力会社が買い取るという制度です。買取価格は毎年国が定めており、家庭用太陽光発電システムは10年間、事業用太陽光発電は20年間、一定の価格で買い取ってもらえます。

しかし、FIT制度による買取価格は、電気利用者であるすべての国民から「再エネ発電賦課金(再エネ賦課金)」として徴収されることが特徴で、国民の負担割合が高まったことから問題ともなりました。

一方でFIP制度も、プレミアム額は国民が負担する必要があるものの、市場競争が活性化しコストの低減が促されることにより、FIT制度に比べて国民負担は低くなるでしょう。また、制度開始から10年が開始した現在では卒FIT(固定価格買取期間終了)を迎えた人も多くいます。FIP制度は、ポストFIT制度として制定された制度と言っても過言ではありません。

 

3. FIP制度のメリット・デメリット

最後に、FIP制度のメリット2つとデメリット1つを紹介します。

メリット(1)収益の拡大・確保につながる

再エネ発電事業者が電力需要に応じて変動する市場価格を常にチェックしていれば、市場価格が高いときに売電することも可能です。このように、工夫次第で売電収入を大きく拡大できる点は大きな魅力となるでしょう。

メリット(2)電力市場の活性化により、消費者は安い電力会社を選ぶことにもつながる

FIP制度によるメリットは、電力会社や再エネ発電事業者だけが受けられるものではありません。FIP制度により電力市場が活性化すれば、安い電力会社を選べるなど、消費者にとっても経済的なメリットを受けられる可能性があります。

デメリット(1)収益の見通しが不明瞭となる

FIP制度は、時間帯やシーズンによる価格変動のみならず、気候や市場価格への大きな影響により、収益の見通しが不明瞭となりやすい点がデメリットです。あらかじめさまざまな要素によって変動することを踏まえ、蓄電池導入などあらゆる工夫が求められます。

このようにFIP制度には、電力会社・再エネ発電事業者・国民それぞれに必ず何らかのメリットが持ち合わさっており、FIT制度よりも注目されるのではないかと考えられています。2050年にカーボンニュートラル・脱炭素社会の実現に向けて、FIP制度は再エネの導入をさらに推進する制度です。しかし課題はまだ残っているため、今後も細かな見直しが行われるでしょう。

 

まとめ

2012年7月、日本では再生可能エネルギーの普及に向けて、FIT制度(固定価格買取制度)がスタートしました。そこから約10年の年月が経ち、卒FITを迎える人も増えてきた現在、ポストFIT制度としてFIP制度が始まります。

FIP制度とは、再生可能エネルギーの普及に向けて、再エネ発電事業者が発電した電気を売るときに、市場価格にプレミアム額を上乗せ・交付する制度です。電力会社・再エネ発電事業者だけでなく一般国民にもメリットが得られる制度として注目されています。

FIP制度が本格導入されるのは2022年4月からです。それまでには細かな制度の見直しが発表される可能性もあるでしょう。新たな情報が発表され次第、再度詳細をお伝えします。RE100電力でも今後FIP制度に対応してまいりますので、お気軽にご相談ください。


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