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お役立ちコラム

コーポレートPPAとは?種類や拡大されている理由を解説!

2021.12.22

地球環境問題が取り沙汰されている近年、世界中ではCO2排出量の削減や、限りのないエネルギーの活用に積極的に取り組んでいます。そして各国の企業においては、自然エネルギー(再生可能エネルギー)の電力を調達する方法である「コーポレートPPA」が行われていることも特徴です。

コーポレートPPAにはあらゆる種類があり、需要家にとっていくつかのメリットがあります。今回は、コーポレートPPAの概要や種類、メリット、今後の動向について詳しく解説します。地球環境問題に取り組みたいと考えている企業経営者、担当者はぜひ参考にしてください。

 

1.コーポレートPPAとは?

コーポレートPPAとは、電力の需要家である企業が、「IPP」と呼ばれる発電事業者(PPA事業者)と、5~20年といった長期間での電力購入契約を直接結び、再生可能エネルギー電力(再エネ電力)を調達する手段です。PPAとは「Power Purchase Agreement」の略語であり、直訳すると「電力購入契約」となります。

従来まで、電気購入は発電事業者側から直接購入するのではなく、小売電気事業者を通じて購入することが一般的でした。しかしコーポレートPPAによって、需要家が発電事業者から直接、かつ長期間固定価格で使用電力を買い取ることにより、発電事業者の新たな再エネ発電所の開発も実現できます。

海外ではこのコーポレートPPAが急増しており、日本でも徐々に浸透し始めています。しかし日本におけるコーポレートPPAの基本的なスキームは、再エネ発電事業者と直接PPAを締結したうえで、物理的な電気は小売事業者経由での調達となることに留意しておきましょう。

 

2.コーポレートPPAの種類

コーポレートPPAは、「フィジカルPPA」と「バーチャルPPA」の2種類に大きく分けることが可能です。さらに、フィジカルPPAはオンサイトPPAとオフサイトPPAに分かれます。

ここからは、コーポレートPPAの種類として、フィジカルPPA(オンサイトPPA・オフサイトPPA)、バーチャルPPAの2つを詳しく解説します。

 

2-1.フィジカルPPA|オンサイトPPAとオフサイトPPA

フィジカルPPAとは、発電事業者がPPAを締結した企業(需要家)に対し、自然エネルギーである電力と、CO2を排出しない環境価値を供給する形態です。フィジカルPPAは、送電方法によってオンサイトPPA・オフサイトPPAに分けられます。

オンサイトPPA
オンサイトPPAとは、発電事業者がPPAを締結した企業の所有する建物の屋根や敷地などに太陽光発電システムを無償で設置し、発電した電力を企業に供給する形態です。いわゆる、現地で発電して現地で供給するという方法となります。企業が発電事業者へ支払う電気料金は固定価格で、太陽光発電システムへの初期投資や運転・保守に必要な費用負担が少ない点が魅力と言えるでしょう。
オフサイトPPA
オフサイトPPAとは、企業の敷地外にある発電設備から、送配電ネットワーク(送配電網)を介して電力が供給される形態です。企業は発電事業者に対して、固定価格の電気料金と送配電ネットワークの利用料を支払うこととなります。2021年には、密接な関係性にあるオフサイトPPAは「自己託送」とみなされ、再エネ賦課金の支払い対象外となりました。

 

2-2.バーチャルPPA

バーチャルPPAとは、電気と環境価値を切り離し、別々に取引を行う形態です。電気そのものは、企業(需要家)・発電事業者がそれぞれの電力市場で売買することが基本となっています。企業にとっては、遠隔地の発電所からの再エネ導入・環境価値の購入が可能となるなどのメリットがあります。

アメリカでは主流となっている形態ですが、日本でも2021年11月末に経済産業省の有識者会議でバーチャルPPAのスキームを実現するための制度策定・変更を検討している方向性が示されました。既存の「非FIT証書」の仕組みを応用し、一定の条件を満たした上で企業と発電事業者間の直接的な取引が可能となる見込みです。

出典:経済産業省「再エネ価値取引市場について」

 

3.コーポレートPPAが推進されている理由3つ

コーポレートPPAは、需要家・発電事業者の双方にメリットがあります。大きく、需要家は「企業として地球環境問題に取り組んでいるという価値を生み出せること」、「発電事業者は長期間の確実な収入が見込まれること」です。

その他にもあらゆるメリットがあり、これらのメリットによりコーポレートPPAが推進されています。ここでは、需要家側に焦点を当てて、コーポレートPPAのメリットでもあり、推進されている理由でもある3つのポイントを紹介します。

 

3-1.経済的である

コーポレートPPAにおける需要家側の最も大きなメリットが、経済的である点です。

火力発電が主体となった従来の電力は、価格変動があり電力購入価格を予測することができません。しかし、コーポレートPPAにより、自然エネルギーの電力を長期間、固定価格で調達することができます。価格変動もないため、今後の発電コストを見通すことも容易となり、収益に与える影響も想定できるようになるでしょう。

 

3-2.追加性がある

コーポレートPPAによる需要家側のメリットには、追加性がある点も挙げられます。追加性とは、再エネ電力やクレジット・証書の購入によって、新たな再エネ設備への投資を働きかける効果のことです。

再生可能エネルギーの調達手段は多様化しており、需要家企業はあらゆる手段の中から適切な手段を選ばなければなりません。株主が消費者が地球環境に対する意識が高まっている近年、追加性のあるコーポレートPPAを選択する需要家は、ブランド価値の向上にもつながるでしょう。

 

3-3.RE100対応である

コーポレートPPAはRE100対応となっている点も、需要家側のメリットです。そもそもRE100とは、事業活動での消費エネルギーを100%、再生可能エネルギーで賄うことを目標とする国際的イニシアチブです。

コーポレートPPAは、自然エネルギーの利用率が高まり、CO2の排出量も削減できます。持続可能性があるだけでなく、RE100基準の電力供給が可能となる点は、結果として企業実績によい影響をもたらすでしょう。

 

4.コーポレートPPAに関する今後の動向

現在の日本で浸透しているコーポレートPPAの形態は、シンプルなモデルであるオンサイトPPAです。オンサイトPPAは太陽光設備への初期投資や運転・保守に必要な費用負担が少ない点が魅力ですが、オフサイトPPAにも注目度が高まっており、早期実現をするための制度変更も急がれています。

オフサイトPPAが求められる理由は、供給可能な電力量にあります。RE100では、事業活動での消費エネルギーを100%、再生可能エネルギーで賄うことを推進していることが特徴ですが、企業の敷地に限りがある中、オンサイトPPAだけで事業活動に必要なすべての電力を賄うことはできません。そのため、敷地外で大量の電力を供給できるオフサイトPPAが求められています。

実際に2021年9月には、国内の大手保険会社である「第一生命保険株式会社」が、オフサイトPPAを開始しました。「2023年度までにRE100達成」の方針も策定しており、地球環境に対する取り組みを強化していることがわかります。

出典:第一生命保険株式会社「金融機関初となる環境省モデル事業に認定されたオフサイトコーポレート PPA の開始

2021年11月に行われた経済産業省の有識者会議では、バーチャルPPAのスキームを実現するための制度策定・変更を検討している方向性も示されているように、日本では今後さらにコーポレートPPAモデルの浸透・普及が進むと言えるでしょう。

 

まとめ

コーポレートPPAとは、電力需要家や企業が、発電事業者と5~20年といった長期間での電力購入契約(PPA)を直接結び、再生可能エネルギーを調達する手段です。海外ではこのコーポレートPPAも主流となっており、近年では日本国内でも徐々に浸透し始めました。

コーポレートPPAが推進されている理由は、「経済的であるため」「追加性があるため」「RE100対応であるため」の3つです。まだまだあらゆる課題は残っているものの、オンサイトPPAが主流となっている日本では、今後オフサイトPPAも注目されることが見込まれています。

RE100電力株式会社では、中長期的なCO2の削減を目標とする企業様に向けて、適切な電力供給やCO2削減の支援・サポートを提供しています。ここまでの内容を参考に、ぜひRE100電力株式会社にご相談ください。


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